急傾斜地での測量part2 2024.05.22

前回もここまではお伝えしたと思いますが、点群解析ソフトにデータを取り込んだものが下の画像になります。

下の画像が点群編集ソフトに取り込んだオリジナルデータです。これから不要点の削除などの点群処理をおこなっていきます。

計測対象範囲周辺の樹木や草をフィルタリング(一時的に隠す)します。同様に電柱や架空線、人、資機材などもフィルタリングします。そうすると下の画像のようにスッキリとした画像になります。

「せっかく取得した点群データなのにフィルタリングって必要なの?」という声が聞こえてきそうですが、オリジナルデータのままだと点群数が何十億点もの数になり(計測範囲によって異なります)非常にデータが重くなります。あくまでも計測に必要なものだけあれば良いと考えます。

続いて点群データからTIN(三角網)地形データを作成します。点群データを非表示にし。TIN(三角網)データのみを表示したものが下の画像になります。

画像を拡大すると小さな三角形で構成されているのが分かります。

さて、色々とおこなってきましたが、いよいよ最終目的である流出した土砂の体積(ボリューム)を求める作業に進んでいきます。

「どげんして出すとね?もう土なかやん!」

はい。大丈夫です。土砂撤去前の地形データをコンサル様よりいただいております。

聡明な皆様ならもうお気づきだと思いますが、土砂撤去前の地形データと撤去後(今回)の地形データを重ねてその差分で土砂の体積(ボリューム)を算出するのです!

画像中の青色表示が切土で赤色表示が盛土になります。赤色の盛土があると言うことは、土砂撤去前にコンサル様が測量してから撤去完了までの期間に崩れ落ちたものと推察されます。

右側表中の切土量から盛土量を差し引いた1,719m3が土砂の体積となります。厳密にいうと崩れ落ちた箇所は盛土する必要がないので、1,725m3が実際の体積となります。

以上で、測量から点群解析・点群処理・地形データの作成・数量算出までの作業の解説を終わります。ご訪問ありがとうございました。

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